まつりっこさんにお礼

ホカよさが終わって翌日、僕はハッと気付いた。そうだ、まつりっこさんにお礼を言ってなかった。あんなにお世話になったまつりっこさんに今回のことを報告しなくては。

仕事が終わってから、僕は千葉中央公園にいた。2日前のあのイベントが夢のように、人影もなくロープの張られたステージだけが、暗闇の中に横たわっていた。

僕はそのステージを背に公園を見渡してみた。想像と記憶の中で輝くカクテルライトの向こうに、三脚に乗ったまつりっこさんの姿が浮かんだ。

まつりっこさんに僕らの演舞を見て欲しかった。どんな感想を言ってくれただろうか。きっと喜んでくれただろうな。

舞ちはらがオリジナル曲もなく、まだ乱舞しかしていなかった頃から、写真を撮ってくれていつも送ってきてくれた。それに対して、僕は満足にお礼もできないままだった。

いい演舞をしていくことだけが、恩返しになるのではないか。

暗闇の公園のベンチに腰掛け、コンビニで買った缶ビールを飲みながら、僕は小さくつぶやいた。

「まつりっこさん、やったよ。あきらめなくてよかった。
これからも空の上から応援よろしくお願いします。」